都会の魔女
救急隊員の一人が、震えて泣きじゃくっているさおりのところに来て訊ねた。

「あなた、この方の知り合いですか?」

さおりは小さな声で
「は・・い・・・。」
と、答えた。

その横をタンカに乗せられたみさきが通った。
その時みさきの顔がちらっと見えた。

血まみれでガラス片がたくさん刺さったその顔は、口から耳のあたりまでパックリと切れていた。

その瞬間さおりは気を失った。

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