初恋タイムスリップ【完】
家の前の細い道の前に来た。



「座るか?」



成海くんに手を引かれて、途中にある石のところに行った。



座ろうとした時、




「なんだ、お帰り。
そんなところで、蚊に刺されるぞ。

こっちに来なさい」




お父さんが門の向こうに
立っていた。




「成海くん、時間大丈夫?」




「大丈夫だよ」


成海くんは優しく微笑んだ。





お父さんは門を開けた。



「ごはんは食べたのか?」



「あ…そういえば…」




何も食べてない。


「なんだ、美音、夕飯の素麺と天ぷらが残っているから、縁側に持ってきてくれ。

まあ、座んなさい」




お父さんは成海くんに縁側に座るように勧めた。


「すみません」



成海くんは少し緊張して縁側に腰掛けた。



「お母さんは?」




「母さんは花火が終わったらすぐに寝たよ」




お父さんは新しい蚊取り線香に火をつけた。






私は縁側から和室に上がり、キッチンにごはんを取りに行った。



縁側にお父さんと成海くんの二人を残して…






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