初恋タイムスリップ【完】
体育祭の帰り道、成海くんは、また、遠回りしてくれた。



この人の優しさは、家庭環境からくるものなのかもしれない…そう思った。





「成海くんは、患者さんや患者さんの家族の気持ちに寄り添ってくれる、

優しいお医者さんになるよ、絶対」




成海くんは、笑った。




「そうなれるように、頑張るよ」





東京に行ってしまうのは、寂しいけど、成海くんの夢を叶えてほしい。




24歳の成海くんが夢を叶えているのなら、私はその夢を壊してはいけない。








成海くんと別れた事を後悔して、別れた日に戻って、一年間過去を修正しにきた。




24歳に戻った時、私の隣に成海くんがいるように願って。




でも、



それは…なんて


自己中な考え方だったんだろう。



成海くんには、成海くんの人生があって、私が、突然、過去に戻って、二人別れない選択をして、

成海くんが自分の夢を叶えようと、頑張っていることに、寂しいとか思ってしまって…




なんて私は


勝手なんだろう。








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