初恋タイムスリップ【完】
成海くんは朝、いつもより遅くきた。


私を見つけると、

「風邪大丈夫か?」


私のおでこに手をのせ、顔を覗き込んだ。


「うん…」


私は無理に笑った。


本当は全然大丈夫なんかじゃない。



でも成海くんに気づかれたくなかった。


成海くんと付き合ったことで嫌がらせを受けたなんて、成海くんに知られたくなかった。



家族のことも、成海くんには絶対に知られたくない。


私はますます、心を閉ざしていった。


< 42 / 237 >

この作品をシェア

pagetop