短編集 cafe an

b,

その日を境に
谷原さんは来店しなくなった


はぁー…


自然とため息が出る


お客様が
こうやって
突然来店されなくなるのは
いままでも
よくあった



それなりに
悲しんだけど


谷原さんの場合は


最後に見た
哀しい顔が引っかかって


『また来るわ。』

その言葉を信じて

自然とカプチーノカップを
用意してしまう…
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