加納欄の壊れたピアス シリーズ23
あたしは、気配を察してその場を転がり、隣の木に移った。

すると、今いた、あたしの木に、ピシュッ!ピシュッ!と、数発の音が聞こえた。


消音銃?


回転しながら、木々に移ると、その後に、数発の音が、木に当たっていった。


なんで、場所がわかるの?!


あたしは、また、隣の木へ移動した。


……赤外線スコープ……(-.-)?


考える時間がないくらいに、消音銃は、あたしを狙っていた。


あたしは、走り、違う木に身を潜め、相手の出方を待った。

消音銃が、発射されてくる位置はだいたいわかったが、そこに行けないのだ。

向こうも、暗闇で、ヤミクモに撃っているのなら、勝算はあるが、赤外線スコープをつけられているとしたら、こちらの行動がまる見えのはずだった。

呼吸を整え、全神経を研ぎ澄ませた。


チッ……。


こういう時、待ってられない性分なんだよなぁ……。


よく、孔明師範にも言われてたっけ(__)


5分位経った時に、気配を感じた。

あたしは、バックから取り出していた拳銃を構えると、隠れていた木から出て、見えない敵に拳銃を向けた。


いるっ!


気配はわかるんだけど、撃つことができない。

あたしは、暗闇に目を凝らしながら、相手との距離を保とうとした。

すると突然、あたしの顔にライトが当たった。


マブシッ(>_<)!


突然の眩しさに、思わず手で目を隠した。

すると、手の平にチクッと痛みが走った。


!!


その瞬間に、暗闇から何者かが、あたしに突進してきた。

あたしは、倒れながらギリギリで交わし、右足で蹴りを入れた。

蹴りは、空振りに終わり、あたしはバランスを崩し地面に転がった。

寝転びながら、拳銃を構えなおした。

すると、拳銃が手からスルッと落ち、あたしの視界から消えた。

「な……に……?」

全身の感覚がなくなり、あたしは、立つことも出来なくなってしまった。

自分の中では、かなり力入れて立ち上がろうとしているけど、実際は、ただ寝転んでいるだけだった。


さっきの手の痛み。


シビレ薬?


マズイ。


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