加納欄の壊れたピアス シリーズ23
この公園に通い続け10日ほど経つが、成果に繋がるものが無く、今日は、別ルートからの公園の入りにしてみた。

2件目の事件以来、特に事件らしい事件は起きてはいなかった。


そろそろ、犯人現れてくれないと、あたしだって毎晩毎晩疲れるんだからぁ。


さっさと出てきてくれないかなぁ。


出て来てくれればご褒美に、手錠掛けてあげるんだけどなぁ。


あたしは、中央公園へ行くために、暗闇の方へ、どんどん歩いて行った。


気づかなかったけど(-.-)


こっちのルート。


今までのルートより、けっこう暗くないですか?


なんで今まで気づかなかったんだろ。


街灯少なっ(>_<)


なんで、こっちのルートで犯行が行われなかったんだろ。


あたしだったら、こっちのルートで犯行起こすのに……。


てなことを思いながら、道を進んでいたが、犯行が起きない理由がわかりかけてきた。

あまりにも暗いのだ。

暗過ぎて、夜は通り道として相応しくない。

普通の女性なら、まず、通ろうと思わないだろう。

さらに、地元住人なら、この暗さを知ってるだろうから、夜は通り道として使用しないだろう。


こっちは失敗か(-.-)


中央公園付近まで来ると、少し薄明かりの場所に出た。


このまま、犯行現場に行って見よう。


そう思った時だった。

あたしの左の耳からボンッ!という破裂する音が聞こえたかと思ったら、耳と頬に熱が走った。

「アツッ(>_<)!!」

あたしは、反射的に体を捻りながら、右側の木の方へジャンプした。

左側は、芝生の草原になっているため、身を隠す場所がなかった。

あたしは、木の後ろに隠れると、すぐさま左手を耳に当てた。

耳に異常はなさそうだった。


仕掛けてきた?


あたしは、発信器を押そうと、耳たぶに手を当てたが、あることに気づいた。

ピアスがないのだ。

もう一度確認してみた。


ナイ……。


ついでに右耳も確認したが、こちらは最初からピアスは付けていないのだ。


そりゃ、ナイよね。


!!!!


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