加納欄の壊れたピアス シリーズ23
あたしは、大山先輩が来てくれた、安心感からか、緊張感が解けると、何とか体を少し起こしてみた。

近くに何かが、横たわっている気配を感じた。


……犯人?


暗さは相変わらずで、顔の確認までは出来なかった。


とりあえず、事件解決出来そうでよかった(__)


未だに息苦しく、あたしは、またパタンと、倒れた。

あたしの近くに、近づいてくる人影がいた。

「センパ……イ。遅い……です……よ……」

あたしは、仰向けになりながら、大山先輩に文句を言った。

大山先輩は、無言で顔を近づけると、唇をふさいできた。

「んっ!……ん……」


クルシ……(>_<)


先輩……息……出来な……。


「あ……ハァ……ア!」

あたしは、大山先輩のキスから逃れられず、息をするのも大変だった。

やっと大山先輩は、キスするのをやめてくれた。

あたしは、そのまま眠りに落ちていった。




気がつくと、あたしは、大山先輩のひざ枕で優雅に寝ていた。

「目、覚めたか?」

大山先輩が、タバコを吹かしながら、聞いてきた。

「うぁっ(゚o゚)!」

あたしは、飛び起きると正座をして、大山先輩を見た。

「大丈夫だったか?服、そ〜と〜汚れてるみたいだけど」

言われて、確認すると買ったばかりの洋服が、土まみれになっていた。


そりゃあ、あれだけ暴れればねぇ。


犯人逮捕後、大山先輩は鑑識を呼び、現場検証をさせていた。

そのため、公園は、先程までとは違い、パトカーのライトなどで、かなり明るくなっていた。

あたしは、体が動いたことを思い出し、冷静になると。

さっきの死闘を思い出した。

「悪かったな。行くのが遅くなって。受信器からレーダーが消えたから、慌てて……いや、探しに出たんだか」

大山先輩が、謝ってくれた。


慌てて、出てくれたんですねp(^^)q


あたしは、大山先輩の言葉に、満足していた。

「よくまぁ、あの中で逮捕したよ」

大山先輩が、あたしを見つめた。

あたしは、さっきの大山先輩の情熱的なキスを思い出し、大山先輩の顔を見るのが、恥ずかしくなった。


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