Call My Name
あんなスケベな男たちと話すのさえ、俺は許せなくて…我慢ができなかった

スイレンが汚されるって思っただけで、頭に血がのぼって、男の首根っこを掴んで、階段下に落としていた

弱いな…俺

強い男なら、そんなことしないだろうな

頭に血がのぼってもきっと冷静に対処するんだ

「景、ありがとな」

「え?」

俺は兄貴の言葉に、バックミラーに映っている兄貴の顔を見つめた

「ツバキたちを守ってくれたんでしょ?」

「は?」

「とぼけても無駄だよ。僕にはわかるんだから」

兄貴が笑った

バックミラー越しに俺を見て、兄貴が嬉しそうに微笑んだ

俺も兄貴につられて、苦笑した

「ナデシコちゃんがね。すごく申し訳なさそうな顔をしてたんだ。ツバキが、景のこと怒鳴ってるときに…何か言いたそうな顔をして」

「…たく。バレバレじゃん」

口にしなくたって、行動でバレてた意味ねえっつうの

俺は耳の後ろの掻いた

「景は良い子だから。知っている子がいる前で、むやみやたらに暴力は振るわないでしょ」

良い子じゃねえっつうの

兄貴は俺のどこを見て、そんな言葉が言えるのかねえ

俺は喉を鳴らすと、急に重くなってきた瞼を閉じた

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