Curvilinear.8
矢野はそう言って再びパソコンの前に座った…
邪魔にならぬ様、俺も職員室を後にし再び屋上へ向かった…
タバコを吸って街を見下ろした…
「本当に…誰も…俺達8人しか…いねぇのかよ…」
道路を見ても車は一台も走ってなく…街灯だけが光を灯している街…



本当に俺達…学校から抜け出せるのか?例え抜け出したとしてもだ…街には誰もいない可能性だってある…
「はぁぁぁ…」

俺は深い溜め息をし…右手を夜空にかざしてみた…

待てよ?
見えない壁つぅ訳だから前後左右壁な訳だ…なら上下は?
試しに俺は思いっきりジャンプした…





すると…
グギッ…
「ぎゃぁぁぁっ!!指がぁぁぁっ!!」


突き指した…
「何一人でもがいてるの?」
っと情けないタイミングで小宮先輩が屋上へ入ってきた…
「い…いやぁ…ほら壁っつぅ訳だったからさ…上はどうかなぁ~っと思ったらこの有り様っす…」
「いい発想だけど…ふっ…あなたの姿見たら馬鹿っぽいわね」
「うっ…」
「報告でもしたら?色黒メガネ君に」


色黒メガネ…ってまさか矢野の事を言ってるのか?

「ん…あぁ…そうですな…それにしてもいってぇぇぇ…」
「自業自得よ…」
「うっ…」
「とは言っても…その事言ってもなんの打開策にはならないと思うけど?」
「痛み損かい…」
「保健室に行って湿布しなさい…」
「そうですね…意外に優しいっすね小宮先輩」
「図に乗るなガキが…」
「うわっ…怖っ…睨まなくてもええやん…」
「…」
「シカトかい…まぁいいや…さっさと保健室いこ…」
俺はタバコの火を消して保健室へと向かった…
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