天使の羽が降る夜に


未紅を探しに行くと海にはいなかった。

あれ?いないな・・・と、すると舜の生まれ変わりのところか・・・。


俺は探しに行くと、舜の生まれ変わりが通っている保育園にいた。

「未紅」

「聖夜?どうしたの?」

俺をみて驚く。

「ああ、大天使様が呼んでるって・・・」

「そうですか。分かりました」

「・・・あれか?」

俺は砂場で遊んでいる子供を指差す。

「はい」

「面影あるな」

「ですね」

優しい顔するんだな。

また・・イライラしてきた。

「宙(ソラ)君て名前らしいです。・・・・舜が亡くなる前に付けたとか。純さんが言ってました」

「そうか」

イライライライラ・・・・。

「未紅」

「はい・・・あ!大天使様に呼ばれてるんですよね?ごめんなさい。行きましょう」

「俺は・・・いつになったら・・・」

何を言おうとしてる?

「はい?・・聖夜?」

「お前はいつになったら、舜を思い出に出来るんだ」

「え・・・」

「側にいるのは俺だろう?なぜ俺を見ない?」

「聖夜・・・?」

「確かに少しずつで良いと言った・・・だが、いつまでたってもお前は俺を見てくれない」

なんだよ俺。

何でこんなこと言ってる?

「聖夜・・あの・・」

「側にいるのに・・・手を伸ばせば触れる事が出来る距離にいるのに・・・お前が遠いよ・・・未紅」

それだけ言うと俺はその場から離れた。

ものすごい速さで。

「聖夜!」

未紅の必死な声が聞こえたが止まらなかった。

・・・だって泣きそうだ・・・・。

かっこ悪い・・・俺。

どうしてあんな事・・・・でも舜を見る未紅の顔は10年前と何一つ変わっていない。

俺に向けられてる笑顔とは・・・全く違う・・・。

悔しいんだ。舜に負けてるような気がしてとても悔しい。

こんな気持ちを・・・何て言うのか分からない。







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