天使の羽が降る夜に
俺は門まで戻ると、魂を運ぼうとしている門番を見つけて
「これを運ぶのか?」
と聞く。
「あ・・・は、はい」
「俺が行く」
門番のマントと魂の箱を受け取り、神へのルートへ入った。
「あ!・・・聖夜さん!!」
門番が止める声など聞かず、俺は出発した。
聖夜があまりの勢いで入っていってしまったので門番はオロオロしていた。
そこへ亮介がやってきた。
「お〜い、まだ入ってないな?」
「あ、亮介さん」
「なんかな、ルートの中が荒れてるらしくて、今日は中止だ」
その言葉を聞いて青ざめる。
「ん?どうした?」
「・・今、聖夜さんが来て・・・」
「聖夜?・・まさか」
「そのまさかです。凄い勢いで入っていってしまいました」
チッと舌打ちをすつ亮介。
「あの馬鹿・・」
「それに、何か泣いているようでしたけど・・・」
「はっ!?聖夜がか?」
「はい、ちゃんとは見てないのですが・・・目に涙が溜まっていたように感じました」
「・・なおさら最悪・・あいつ勢いだけで入っていきやがった・・・」
「それって・・・」
「ああ、まずいな」
神へのルートは長い道のりだ。
冷静に判断して体力と魂のことを見ながら行かないとダメだ・・・感情だけで行っては必ず失速して下手すれば消滅しかねない。
「聖夜はその辺の門番とは出来が違うが・・・中が荒れてる以上・・・どうなるか・・・・」
「亮介さん・・・・どうしましょう・・・」
「・・・俺が後を追う・・・新しいマントが来ていたな?」
「あ、はい昨日届いたばかりです」
「それ、2枚持ってきて」
「分かりました」
門番が取りに行くと
「りょ、亮介さん!」
「未紅チャン?」
未紅が息を切らせてやってきた。