恐い‥けど好き..





――――――‥‥‥。





「‥‥ぅ‥‥ん‥」



目を開けたら、

外はもう明るかった。


不思議な気持ちだった‥

引越してから初めて

夢を見なかった日だった。





正巳がそばに居る‥

そう分かった。

ただそれだけで、

アタシはこんなにも

立ち直れるんだ‥‥



少し緩んだ顔をして、

準備をしてから家を出た。







―――――――‥‥‥




エレベーターを降りて

歩いていくと、

マンションの壁に

寄り掛かる人物が居た。

アタシはビックリしながら

小走りで近寄って話しかけた。





「‥‥‥マサ?」



寄り掛かっている人物、

正巳がこっちを振り向いて

答えてくれた。


「‥‥‥よぉ」

「‥ぅん?‥何で?‥」

「‥別に。」

「‥‥何よ」

「‥あのさ‥‥」

「うん」

「俺の事、恐くないか?‥平気か‥?」




いつもの俺様な正巳より

不安げな表現に、

アタシは

不覚にも大爆笑してしまった












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