ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
「それにしたって……!」

 まだ信じられずにいるわたしに、那由他さんは、寂しげに微笑んだ。

「刹那は、もともと負けず嫌いで、意地をはる性格が表に出ます。
 スクリーンの向こうの観客席にはライオンのイメージばかり伝わるのですが。
 刹那が時折見せる柔らかい部分が、映画を制作する方や。
 現場のスタッフ達に愛されて、そこから『ダンディ・ライオン』とニックネームをつけていただきました」

「……」

「だけども、刹那には、今。
 自分の『花』の部分をひとに見せられるほど余裕がありません。
 ……泉川さんは、原因を知ってますか?」

 そう、那由他さんに聞かれて、わたしにもすぐに、頷いた。



 那由他さんは。

 刹那が去年、巻きこまれた事故のことを言っているんだ………!



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