ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 しかも、刹那の傷は、大分大きい。

 右の頬を抑えた白いタオルが、紅い血で滲んでる。

 うぁ……!

 酷い……!

 この傷なら、誰が見ても、息をのむ。

「はやく、薬を……!」

「いいや、救急車だ!」

 それでなくても、一年間は製作期間が伸びた映画だったから。

 これから更に伸びてしまうだろう、スケジュールによっては、打ち切りになるかもしれない……!

 その可能性に戸惑いながら、楽屋に入って来たスタッフたちは、刹那の傷をなんとかしようと右往左往していた。

 けれども。

 驚き、騒ぐ映画スタッフたちの中で。

 刹那本人は、冷静だった。

 そして、撮影を止めるものかと声を上げる。

「大丈夫、救急車は、いらない。
 見た目は派手でも、こんな傷は、すぐ塞がるし。
 午後からの撮影は、このまま演(や)れる!」

「しかし……!」

 刹那の傷は、余りに酷くて大きかったから。

 止めようとする監督さんに、今度は那由他さんが言った。

「この傷なら、私が修復してみせます。
 ですから、他のスタッフの皆さんは、午後からの撮影の準備をお願いします!」





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