ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 完璧に治すために全力を尽くすので、皆さんは退室願います、と。

 那由他さんの言葉に、映画製作スタッフは、二人を残して心配そうに楽屋から、出て行った。

 わたしも、ぞろぞろと出ていくヒト達の後に続いて退室しようとして……がしっと掴まれる。

 見れば。

 片手で傷を抑えたままの刹那に、わたしは腕を掴まれていた。

「なにを……」

 するの、と戸惑うわたしに、刹那は傷ついた顔で、凄惨に笑った。

「あんたは、さっき。
 なんで、俺がこの映画を最後に俳優をやめるのかって、聞いていたな」

「え……ええ、まあ」

 かくかくとうなづくわたしに、刹那は鋭くささやいた。

「皆が出て言ったら、その理由を、教えてやる」

 ところが。

 刹那のセリフを聞いた那由他さんは、なぜか。

 傷を自分で修復する、と宣言した時よりも、大分心配そうに表情を曇らせた。

「……いいんですか、刹那?」

「いいんだ。
 恋愛講座の第一歩は、まず相手を良く知るってことだから。
 それに、こいつなら。
 もし何かマズイことがあっても、口を封じることができる、だろう?」

 

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