ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
「ほ、本気で恋愛講座なんてするつもりなの?」

 そんな風に顔を傷つけて。

 今となっては、自分のことだけでも、手一杯なはずなのに……!

 そんな疑問に。

 わたしの腕を掴む、刹那の手は緩めない。

「……だから、だ。
 俺の怪我で、やろうと思ってたことと内容変更するから。
 これを純粋に『恋愛』の『講座』ととるかどうかは、あんた次第だけどな」

 言って、刹那は、ぐい、と睨んだ。

「この映画の完成を願うのは、俺だけのわがままってだけじゃねぇ。
 兄貴との夢でもあるんだ」

「……刹那」

 那由他さんは、刹那の話を遮るように声を上げたけれども。

 刹那は、構わず、話を続けた。

「この映画に関わっていた、好きだったやつを亡くしたのは、俺だけじゃねぇ」

「……刹那。
 いいんです。私は……」

「ちっとも、良くねぇ!
 俺の彼女のマネージャーは、兄貴のものだったんだから!
 死んじまった、あいつらの為にも。
 優奈には、例え短い時間であっても。
 いろんなことを見て、経験して。
 少しでも『生きた』演技をしてもらわねぇと困るんだ……!」


< 26 / 53 >

この作品をシェア

pagetop