ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 酷い、とはいえ。

 傷の手当て一つのことに、何を大げさな……とは、口が裂けても言えなかった。

 刹那の真剣な気持ちが、わたしの中に染み込むように、入って来る。

 だから、わたしは。

 ただ、ただ、緊張して……よろしくお願いします、って言うしかなかった。

 そんな、わたしの反応を見て。

 那由他さんと顔を見合わせた刹那は、ソファーベットに横たわり、天井を仰いだ。

「じゃあ兄貴、頼む」

 那由他さんは、刹那に頷くと。

 傷を押さえていたタオルを剥がして、血が止まっていることを確認した。

 そして。

 傷のある頬でなく、刹那の顎と額の髪の生えぎわに手をかける。

 ……と。

 その、信じられない光景に、思わず叫んだ。


「刹那!
 那由他さんっ!」

「……大丈夫ですから、大声を出さないでください。
 外に聞こえてしまいます」

「で、でも!」

 那由他さんは、冷静だったけれど。

 わたし、自分の手をぎゅっと握ったまま、目が離せなかった。

 だって。

 だって……!



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