ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
「イケメンであるはずの『刹那』がこんな、醜い顔で驚いたろう?」

 刹那が皮肉っぽい口調で話した。

 喋ると、刹那の顔の皮膚のすきまから口が現れる。

「……一年前。
 パパラッチが俺に山ほど、しつこく張りついていたのは、この顔が撮りたかったからだ。
 今は、少し落ち着いている、と思ってたけど甘かったな。
 撮影用小道具に本物が混ざっていたのも。
 仕組まれたものかもしれない」

「……刹那」

 那由他さんの手をはずし、呟いたわたしに。

 刹那は自分顔をはっきり、見せて言った。

「顔をそむけたくなるほど、醜いか?
 おぞましいと思うか?
 ……だけども、アイツは……死んだ俺の彼女は。
 この顔を知ってなお。
 ……俺を愛してくれたんだ……!」

 刹那の血を吐くかと思うほどに強く、静かな叫びに巻き込まれ。

 わたしの心を突き刺した。

 確かに、刹那は恐ろしいほどに、醜くかった。

 けれども。

 ……良く見ると。

 やっぱり、細い皮膚の間に、目も見えた。

 悲しいほどに澄んだ。

 刹那の素顔の中で、最も綺麗で……いや。

 今まで誰の目にも見たことも無いほど美しい瞳が、わたしを見ていた。




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