ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 
 とても刹那に、言葉なんてかけられない。

 なんて言って慰めれば、いいのかもわからない。

 胸の重みに耐えかねて。

 ふ……とずらした視線の先に、刹那のはずした顔を修復している那由他さんがいた。

 けれども。

 那由他さんは、刹那の顔の表面を化粧品を使って治しているのではなかった。

 時計屋さんとかが、小さな機械を直す時に使う片眼鏡をかけて。

 両手にピンセットを持って、切り裂かれた仮面の断面をいじってる。

 メイク、とか。

 切れた皮膚をごまかす、とはだいぶ違う作業に、何をしているのか、と聞けば。

 ほとんど凹凸のない刹那の顔が、リアルに表情を造るために仮面に張り巡らせていた、回路が切られていて。

 それの修復らしい。

 しばらくして。

 仮修復を終えた、と難しい顔をした那由他さんが言った。

「一旦、見てみましょう。
 でも、傷が思いのほか深く広いので、このままでは、厳しいかもしれません」

「ああ」

 ……なんて、刹那が答える間もあればこそ。

 那由他さんは、慣れた手つきで刹那の仮面を楽屋のコンピュータ・ケーブルにつないだかと思うと。

 仮面を、起動させた。


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