ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 
 那由他さんが、パソコンのキーを叩くと。

 仮面にみるみる生気がこもった。

 まるで、生きているみたいな……ううん。

 取り外された刹那の顔が、仮面だなんて信じられない表情を浮かべる。

 世の中は、人工の皮膚をつけた、人間そっくりなアンドロイドもいる。

 それと同じ技術を使っているのだとしても。

 この仮面を那由他さんが作った、と言うのなら。

 那由他さんは、相当にすごい腕だ。

「なんか、すごい……」

 わたしは、感心して思わずため息をついた。

 だけども。

 那由他さんと、作業を横で見ていた刹那は、気にくわないらしい。

 那由他さんの厳しい顔は、変わらなかった。

「……表情を動かす回路の一部が、致命的に損傷しています。
 キー操作でも、反応が一瞬遅れる事を考えると。
 仮面を顔に乗せた時は、更に遅れます。
 このままでは、プロのカメラマンをごまかせるほど、自然な表情を出すのが難しいです」

「午後までには、治るか?」

 さすがに、心配そうに聞こえる刹那の声に、那由他さんは首を振った。
 

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