オレの宝物。それは君の笑顔【完】
<鈴木柚夏子>


私とタカは、小学5年生の時、初めて同じクラスになった。


タカはカッコよくてスポーツ万能で、女子からすごく人気があった。


サッカーに夢中で女子には興味がない、という硬派な態度が、さらにタカの人気に拍車をかけていた。


そして。


私もすぐにタカのことを好きになってしまった。


私はよく男の子と間違えられ、女の子としての魅力に乏しいことを自覚していた。


可愛い子ぶってみたところで、ほんとうに可愛い子たちには勝てない。


それがわかっていたから、私はタカが所属しているサッカークラブに入った。


女子は私1人だったけど、持ち前の男っぽさ(?)ですぐにチームに溶け込むことができた。


クラブには「鈴木」が5人もいて、みんなは私のことを「柚夏子」と名前で呼び、タカも女子では私のことだけを名前で呼ぶようになって。


私は、タカの一番仲の良い女友達になることに成功した。

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