オレの宝物。それは君の笑顔【完】
翌日、家から持ち出したクッキーを加納に「捧げた」。


そのクッキーは、母ちゃんが食べるのを楽しみにしている高級品。


バレたら、カミナリが落ちることは、間違いない。


しかし今は、加納のご機嫌をとるほうが重要だった。




その夜。


改札口から少し離れた場所で、北原を待っていた。

 
下り電車がホームに滑り込み――。


混雑する人々の中、オレはすぐに北原を見つけ出した。


北原はオレを探しているのか辺りを見回していたが、オレを見つけると安心したように微笑んでこちらへ向かって来た。


オレを探して。

オレを見つけて。

オレの方へ――。


胸の奥が、じんわりと暖かくなった。

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