オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「……部活、まだやってるよ」

「いいんだ。今日は、サボる」

「ダメだよ。高野くん、次期部長でしょ」

「でも、もう暗いし、加納もいないし」


高野は意外と強引で。


「アイツ、告る気なんじゃね?」


トミがオレの耳元で囁いた。


実は、オレもそれを予感していた。


北原への、告白。


このまま2人を帰らせてしまったら、高野に先を越されてしまう。


だからといって、どうすることもできずにいる情けない、オレ。


神様――。


天を仰いだその時、


「姉ちゃん?」


健介が現れ、


「あ、私、弟と帰るね。練習がんばって」


北原は健介とともに立ち去り、オレは胸を撫で下ろした。

< 64 / 233 >

この作品をシェア

pagetop