オレの宝物。それは君の笑顔【完】
窓の外が暗闇に沈んだ頃。


片付けを終えて、みんなで昇降口を出た。


オーケストラ部は、まだ練習をするのだろう、外にまで楽器の音が響いてくる。


今日は加納が休み。


北原は誰と帰るんだろう、と気になって北原に目をやると、


「送っていくよ」


高野が、北原に近寄った。


「いよいよ、本物の『ベストカップル』の誕生か~?」


冷やかしの声の中、北原と目が合ったが、オレは反射的に逸らしてしまった。


自分が、情けなかった。


高野のように、みんなの前で堂々と北原に声をかけられない自分が悔しかった。

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