ほわいとちょこれいと
寒空の下、彼が振り向いた。
先ほどから黙り込んだままの私を不思議に思ったみたい。
「ねぇ、シュン。どこに行くの?」
耳と鼻が冷たいと思いながら、彼を見上げて問いかける。
「君が、ずっと行きたがってた場所だよ。」
私のマフラーに軽く触れながら、彼は前を見るよう促した。
彼は、私に向かって微笑んだ。
イルミネーションが眩しい。
ずっと焦点の合わないまま歩いていたので、正面に何があるかわからなかった。