《短編》幼馴染のその後に
タケルは財布から千円札3枚を取り出し、窓の向こうの二人に渡す。
“まいど♪”と言った二人は、嬉しそうに笑い。
そして“お幸せに♪”の言葉を残してパタンと閉めた。
何で、勝手にあたしの部屋にいるの?
やっとそんな疑問を持って。
「お母さんの馬鹿ー!
結衣と七海、我が家に出入り禁止ー!!」
叫んでみたが、届くはずもない。
『…あのさぁ。
俺の存在、忘れないでくれますか?』
「―――ッ!」
わ、忘れてた…。
『…今日は、クリスマスイブだな。
しかも、両思いじゃん?』
わ、忘れてた…。
「ナシー!!
ナシナシナシー!!
あんなのナシー!!」
と、叫んでみたが、全ては無意味らしく。
『…何言ってんの?
もぉ、遅いよ?』
「ギャー!!」
『…まずは、両思い記念に一発♪』
「イヤー!!」
あたしは、騙されたのだ。
“幼馴染”で“お隣さん”のタケルがとんだ策略家だったことなんて、知らなかった。
「ちょっ、どこ触ってんのよー?!」
ずっとあたし達は、幼馴染なんだと思ってた。
だけど気付かされた、この気持ち。
あたしはこの馬鹿のこと、それでも好きらしい。
END
“まいど♪”と言った二人は、嬉しそうに笑い。
そして“お幸せに♪”の言葉を残してパタンと閉めた。
何で、勝手にあたしの部屋にいるの?
やっとそんな疑問を持って。
「お母さんの馬鹿ー!
結衣と七海、我が家に出入り禁止ー!!」
叫んでみたが、届くはずもない。
『…あのさぁ。
俺の存在、忘れないでくれますか?』
「―――ッ!」
わ、忘れてた…。
『…今日は、クリスマスイブだな。
しかも、両思いじゃん?』
わ、忘れてた…。
「ナシー!!
ナシナシナシー!!
あんなのナシー!!」
と、叫んでみたが、全ては無意味らしく。
『…何言ってんの?
もぉ、遅いよ?』
「ギャー!!」
『…まずは、両思い記念に一発♪』
「イヤー!!」
あたしは、騙されたのだ。
“幼馴染”で“お隣さん”のタケルがとんだ策略家だったことなんて、知らなかった。
「ちょっ、どこ触ってんのよー?!」
ずっとあたし達は、幼馴染なんだと思ってた。
だけど気付かされた、この気持ち。
あたしはこの馬鹿のこと、それでも好きらしい。
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