春風に流される
───しばらく先生達と会話した後、俺達は職員室を後にした。


もう…この職員室に入る事も、学校に通うのも、毎日のように友達と先生達に会えるのも、牧村と歪み合うのも…

今日が最後。


「雪…水になって、道路も乾いて来たな」


牧村と初めて一緒に帰る。


気付けばもう午後3時近くになり、だいぶ長い間、職員室に居たみたいだ。


雪溶けを促す、照り返しの太陽が…

牧村の透き通る肌と、ストレートな綺麗な髪と長い睫毛を照らす。


あまりにも綺麗な光景で、牧村が“女の子”だと言う現実に改めて気づかされた。
< 6 / 11 >

この作品をシェア

pagetop