きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
「土方さん。入ってもいいでしょうか?」


私は副長室の前まで来ると、中にいる土方さんに声をかけた。


「・・・入れ」


うわぁ〜。ものすごく機嫌の悪そうな声。



「失礼します。」


「何の用だ。」


土方さんは相変わらず不機嫌な声で机に向かったまま私を見ずに言った。



「あの・・・局中法度の事なのですが・・・」


私は恐る恐る聞いてみる。


「ああん?お前が口出す問題じゃねぇよ。」


「や、それはそうなんですけど・・・
あそこまでする必要はあるんでしょうか?」


「壬生浪士組の中にゃは武士じゃねぇやつも大勢いる。武士よりも武士らしくあるためには多少の厳しさは必要だ。」



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