きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

*文久3年6月

壬生浪士組に取締の依頼が入ったのは6月に入ってすぐの事だった。


「大阪?」


私は総司とあんみつを食べに来ていた。


総司と仲良くなり、最近では2人で甘味処に行く事も多くなった。


「ええ。大阪町奉行所からの依頼なのですが、最近、過激な浪士が多いらしく、手が付けられないと・・・」


「ふ〜ん。それで壬生浪士組が取締に行くってわけか。」


総司の話に私は相槌をうつ。


「大阪に行くのは近藤さん、山南さん、私、新八さん、源さん、一さんに島田さんですね。あとは芹沢さん側の方が何人か・・・屯所には土方さんと左之さん、平助が残ります。」


「島田さん?」


私は初めて聞いた名前に思わず総司に聞き返していた。



「ああ。お華さんは島田さんにまだ会った事ないんでしたね。新しく入られた監察方の人ですよ。今なら屯所にいると思いますし、帰ったら会ってみますか?」


総司が提案してくれた。



「えっ、いいの?ぜひ、会ってみたい」


「では、あんみつを食べたら帰りましょうか。」


私たちはあんみつを食べ終わるて真っ直ぐ屯所へて戻った。



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