泣いた赤色、うたかたの青
マスターは暗くなった格子窓の外を見た。


「今日はもう、お客さんで最後です。
もしお時間があれば、どうです?

その昔話を聞いて行きますか?」


あなたは店の古めかしい振り子時計を見上げて、
頭の中の予定と相談して、
特に急ぐ用もないことを確認して、

「面白そうですね。ぜひ」

好奇心に駆られて頷いた。


マスターは、それじゃあこれは僕のおごりですと言って、温かいチャイを淹れてくれた。
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