イジワルな俺様の秘密ライフ
でもね、そういうことをするから私が勘違いするのだということを、海翔さまはもっと知るべきだと思う。
「……っていうかずっと気になってたんだが。
いい加減“さま”付けはやめてくれ」
憮然とした顔付きの海翔さまにたじろぐ。
さまが駄目って言われても……
「あ! 海翔殿!?」
「なんだその『素敵な呼び方見つけました☆』的なやたらめったらな笑顔はッ
殿も却下に決まってるだろ」
えぇ!? いい案だと思ったんだけどな……
だって他に呼び方なんて……
「あ! ミスター海翔?」
「ふざけてんのか」
うわわわわ、黒いよ!
カケアミかかってるよ!!
雰囲気で人が殺せそうだよ……!
「ったく、普通に『海翔』と呼べ」
「え、だって……!」
「俺が呼べと言ってるんだから呼べ。
いちいちびくつくな」
「そ、そんなこと言われても……」
「何が不満だ」
いやむしろ凄く光栄です!
光栄ですけど!!、でも……
「親衛隊の子に殺される……」
「俺が守ってやるから大丈夫だ」
ぽんぽんと頭に乗せられる手が優しい。