イジワルな俺様の秘密ライフ


「アヤだからAだろ」



ふいとそむけた表情は見えなくて、後頭部を凝視してしまう。



へ……?


アヤだからA……?



何度も何度も、咀嚼して吟味する。



今、アヤだからAって言ったよね?



「海翔さま、それって──」


名前を呼んで気が付いた。



“K”って、

“K”ってもしかして

「海翔(Kaito)さま……?」



なんてこと。


気が付いた瞬間に顔が真っ赤になる。



恥ずかしい。

けど、ちょっと嬉しい。



お互いのイニシャルを交換して持ってるなんて、

しかも同じストラップだなんて、

かなり恥ずかしい、

恥ずかしいけど、

にやにやしてしまう。



より一層、そのストラップを大切にしなきゃと思った。



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