イジワルな俺様の秘密ライフ
曲がり角である、廊下の突き当たりを目指して勢いよく向かおうとした私の腕を、
力強い手が掴む。
「ちょ……離してよ」
「行くな」
強い力と強い口調が、私の足を止めさせる。
「他の男のところへなんか、行くな」
「かい……と……?」
振り返った私の視線にぶつかったのは、海翔の真摯な瞳。
その表情に、心の奥がざわざわする。
「居場所がわかれば、いいだろ」
向けられた視線と、掴まれた腕が、熱い──
「お前は俺だけを向いてればいい」
それを振り払えるようなチカラは、私には無くて。
でも大地のことをそのままにしておくことなんか、出来るわけもなく。
進むことも戻ることも出来ずに、私はその場に立ち竦んだ。
背中から声をかけられるまでは。
「先輩、意外にガキっすね」
揶揄するような声色に、私は一瞬その言葉を誰が言ったのか理解出来なかった。