イジワルな俺様の秘密ライフ
シュウさんに目をつけるとは、ヒメカさんもお目が高い。
姫香さんは私たちを追いかけるかシュウさんにまとわりつ……いや、甲斐甲斐しく世話を焼くかで迷っているらしい。
好機とばかりに海翔が私の腕を引く。
「行くぞ」
私は頷いて、もう一度後ろを振り返った。
シュウさんと姫香。
意外にいいかもしれない……なんて思いながら。
「あ、アヤ! 海翔様も!」
前方で、我が親友のナツが笑顔で手を振っていた。
「なぁにー、ふたりお揃いで。
また姫香さんから逃げてんの?」
かくまってあげようか、なんて段ボールを指してにやにや笑うナツに、私は笑顔を返した。
「ありがと、大丈夫!」
「段ボールに入るなんて、俺はもう二度とごめんだからな!」
そばにいた大地が、チラともこちらを見ることなく、ナツに向かってそう言った。