イジワルな俺様の秘密ライフ


それは、

もう逃げんな、ってことと、

もう一緒には逃げられない、ってこと……なんだと思う。



「うん」



「だけど!

……アヤのためなら入ってやってもいい」



憮然とした顔で、相変わらずこちらを見ない大地に、私は不覚にも涙が……

「じゃ、今すぐ入った入った」

ってナツさん台無しですぅぅう!!



「アヤのためならって言ったんだよ、俺は!」


「だからアヤのために入れって言ってんでしょうが!」


「うわ、何怒ってんだよ」


「知らないわよ、バカ大地!」


「……ナツ、この際だから言っておくけど。

俺はナツのためにも、入るぞ」


「じゃ今すぐ入った入った」


「おい!」


段ボールに押し込めようとするナツの手を握った大地が、ナツの真っ赤な顔を見て、それ以上に真っ赤になった。


「──ッえ~と、あ~……なんだ。だからだな……」



そういやナツ、ユウくんとは別れたって言ってたな……


これはひょっとすると、ひょっとするかしら。


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