イジワルな俺様の秘密ライフ
なんだかジーンとしていると、
「あ、海翔様……っ」
いやにキランキランした声が聞こえてきた。
出たな、妖怪ケバ子──もとい、花園可憐……!!
近付くたびにキラキラがパワーアップして、ギランギランになっていく。
怖い……人じゃない……
花園さんは私を見ると途端にキラキラを引っ込め、眉をひそめた。
「……なんだか、うまくやったみたいじゃん」
キュッと胸の奥が痛むのは、気のせいじゃない。
花園さんは、失恋確定なわけで。
同情じゃない。
ただ、私が頑張れたのは、
花園さんのおかげでもあるから。
ナツや大地とは違う部分で、たくさんたくさん背中を押してもらったから。
だから少しだけ、胸が痛むんだ。
「そんな顔して、あたしをバカにしてんの?
ぼやぼやしてたら、奪いに行くから。
それまでせいぜい海翔様に嫌われないようにしてよ?」