イジワルな俺様の秘密ライフ
海翔が口を開きかけたけど、それよりも先に私が叫ぶ。
「いいに決まってんじゃぁぁあん!」
「おま……なんで君が返事してるんですか」
「そうだよ、アンタあたしに海翔様の肉声を聞かせない気!?
蹴り飛ばすよ!?」
睨み付けて脚を振り上げたケバ子に、私は恐れおののく。
「そんなぁぁあ! 私たち友達でしょぉぉお!?」
「……いつの間にあたしアンタの友達になったってのよ。
まぁ、いーけど」
「花園さぁぁん」
「ウザいし。ああもう、あっち行けば!?
つか、あたしが行くっ!!
……ほんと、友達とか、アンタハズいんだから……」
呟いた花園さんは、真っ赤になりながら私たちに背を向ける。
その背中に向かって海翔が声をかけた。
「花園さん。ありがとう」
一瞬動きの止まった花園さんは、こちらを振り返ることなく、
走り去っていった。