イジワルな俺様の秘密ライフ


あ、と思った時にはもう遅くて。


私は掲示板に覆い被さるようにして、掲示板とともに倒れ込んだ。


よりによって、王子様の上に。




激しい音、

一瞬にして静まり返る凍りついたその場所、

そして一気に騒がしくなった。


「ご、ごめんなさ……」


青くなってあたふたする私に、掲示板から這い出した王子様は言った。



「テメェ……」


とてつもない低音。


「海翔様、大丈夫ですか!?」


私を押しのけるように人が押し寄せる。



「大丈夫です。少し驚きましたけど」


……んん??


「全く、危ないわね。あなた、海翔様が怪我したらどうするつもり!?」


「彼女を責めないで下さい。僕が気を付けてなかったのが悪いんですから」


……んんんんん??



目を伏せたその人は確かに王子様。


あれ?じゃあさっき私が聞いた声は??


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