イジワルな俺様の秘密ライフ
ぶつぶつと言っていた女の子たちも、「海翔様がそう言うなら……」と渋々私を許してくれた。
王子様、イイヤツ!
あの低音は気のせいだったに違いない。
私はもう一度王子様に謝罪をして、ギャラリーが立て直した掲示板に貼ってあるクラスわけを見ることにした。
「1組か……」
その言葉を、王子様が聞いていたとは知らずに。
――――――――…
「……であるからして~」
退屈な担任の言葉が終わるのを、今か今かと待っていた。
入学式なども無事に終わって、あとは担任の話を聞いて今日の学校は終わり。
早くどんな寮だか見てみたかった。
荷物は届いてるはず。
今日は金曜日だから、土日に荷物の整理をするつもりだった。
どんな部屋かな~とか、レイアウトどうしようかな~とか考えてたらうきうきしてきて、
そしたらいつの間にか担任の話も終わってた。
「今日はこれで解散」
という担任の声が教室に響いた直後、隣の席の女の子に声をかけられた。
彼女は栗色の髪をした色白の可愛い子で、名前は保川 夏歩(やすかわ なつほ)というのだと教えてもらった。