最初で最後

自宅

階段を一気に駆け降りて、2階へと行く。
1階に降りる階段の踊り場に2人がセカバンを持って
立っている。

まだ2人はあたし達に気付いて無いみたいだった。
恵里と2人で顔を見合わせて、少しだけ笑う。


「寛生先輩、俊也」

「…さてと、行くか」


俊也は先に階段を降り出す。恵里は小走りで後を
追って行く。あたしも行こうと、1歩足を踏み出すと、
急に手に持っていた荷物が軽くなる。

少し顔を横に向けると、寛生先輩が鞄を持ってくれた。
あたしが呆気に取られていると、頭をぽんぽんと
撫でられ、行くぞと声をかけられる。


『ひかるー!先輩早く!』

「あ…今行く!」
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