最初で最後
―授業は別に普通だった。対した変化も無いし。
ただちょっとばかり先輩の事が気になって授業に集中できなかった位だ。


「光ー」

「何、恵里」


違うクラスの川島恵里(かわしま えり)が駆け寄って来る。
恵里はあたしの保健室仲間で、あたしと同じ問題児だ。

保健室ばっかり行ってたり、うちの学校はジャージで生活するから、ジャージの裾を長くしてみたり、付けて来てはいけないワックス付けたり、髪を染めたり、香水をつけたり。

うちの学校は規則がきついから、今時有り得ない規則ばかりある。
それを二人で破っている。


「次の授業何?」

「化学だと思う」

「保健室行かねぇ?」

「あー、行く」


と、いつもこんなんだ。


保健室仲間にはあと2人居て、その2人はもう保健室に行ったようだった。
いつも居るハズの廊下に居なかったから。
いつも四人で居るわけじゃない。

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