最初で最後
あ、そういう事。と何故か納得してしまう。
俊也から少し目を逸らすと、恵里が目を輝かせて、
俊也を見ている。…多分部屋に行きたいんだろうな…。


「俊也、俊也」

「あ?」


そっと寄ってって、コソリと声を掛ける。
しょうがない、協力してやろうじゃないか。


「…俊也の部屋、恵里が見たがってる」

「…マジで?行ったほうがいいの?これ」

「行っとけ」


多分、寛生先輩はこそこそしてんの気付いてんだろうなぁ…。
恵里は気付いて無いな、絶対。
これは確信ですよ。予想じゃなく。


「恵里ちゃん、俺の部屋行ってみる?」

「いいんですか!?」
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