最初で最後
「美並ちゃんは?」

「同じで良いです」


あたしがそう言うと、棚を指差してコップ出してと言って来る。
棚を開けて、指差されたコップを4つ出して、
先輩に手渡す。少しだけ触れた指先が、暖かかった。


「いいなぁ…武下先輩の家大きくて」

「別にでかくても何も良い事ねぇって」

「でも憧れるじゃないですか!」


まぁ、それは分かるよ恵里。
けど、ほぼ1人暮らしだし、淋しいんじゃないかな…?
そう思うんだけど…俊也には聞けないよね?


「部屋が余ってるから、俺も1個だけ部屋貰ってんの」

「はぁ?俊也此処に住んでる訳じゃないでしょ?」

「泊まりに来た時とか」


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