裏表プリンス



私の言葉を遮って目の前のイケメンはサラッと言うと、私と視線を合わせる様に上半身を折り曲げた。



「その格好でナンパされて嫌だとか言えた立場じゃないよなー」

「なっ……!!」



カァッと頭に血が昇った感覚。

━━パンッ!!


私の手は彼の左頬を叩いてた。

頬を手で覆い私を見据える瞳に思わず一歩後退してしまう。



「あ……御免なさいっ!!」

「ちょ、オイ待て……!!」



私は謝りながら彼の横をすり抜け、駅へと一目散に走った。


だって!!あんな言い方ってある!?

何様な訳!?『は?俺様』とか言いそうで何かムカつくわ!!

そりゃ明るい茶髪で何処のキャバ嬢?ってくらいの巻き髪に、スカートは膝上15cmのギャルだけどっ!!

初対面の人に何であんな事言われなきゃなんないのよ!!



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