裏表プリンス

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｢うわー､何かソレ残念だったんじゃね!?マジ伊桜ドンマイー｣

｢笑わないでよ莉紗ー｣



鏡を見ながら私の話に笑っているのは親友の粒木 莉紗(ﾂﾌﾞﾗｷﾞ ﾘｻ)。
見た目も内面も完全にギャル。

翌日､私は昨日の腹立たしい出来事を莉紗に話した。

ドンマイと言いながらも､ナンパされた事やイケメンに助けられた事を莉紗は羨ましがっている。



｢てかさー､結局はお礼言えてないんっしょー？ヤバくない？｣

｢そうなんだよねー……｣

｢でも同じ学校なら見つかるんじゃね？それに向こうは伊桜の事知ってるみたいだしさー？｣



そう｡家に帰ってから平手を喰らわせた事に謝罪はしたものの､助けて呉れた事に対してお礼を言いそびれた事に気付いた私。

今日言おうと思ってたんだけど､昨日の彼らしき人が見当たらない。

実はタメじゃなくて先輩だったりしちゃうのかなぁ？