裏表プリンス



「他に何か特徴とかないの?」

「残念ながらないんだよー」



あったとしても『声』なんだよなぁ。

でも良く思い返してみると何処かで聞いた事ある声だったような……。



「………お、伊桜っ?」

「へっ?あ……何だっけ?」

「だからぁ、校内を手当たり次第探しちゃえばって!!」

「あ、そうだよね!!ソレ良い考え!!」



そう言うと莉紗は私に向かって得意げに微笑んで見せた。


あ、でも探すって言ったってチャンスは全校生徒が校内に居る時間………昼休みしかなくない?

否、それでも1週間掛ければ案外見つかるかも……?


私は莉紗を余所に頭の中で自問自答を繰り返した。

それを正面に座る莉紗が半ば呆れた表情で私の事を見つめている事に気付かずに。



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