裏表プリンス
「……伊桜さぁ」
「ん、なぁに?」
「否、何でもなーい」
「何ソレー、莉紗変なのー」
そう言って笑うと莉紗に一発デコピンを喰らわせられた。
でも莉紗が何て言いたかったのか、大体は予想出来るよ、……多分。
そんな事を密かに考えていた3限終わりの休み時間。
━━~♪
4限開始を知らせる予鈴と同時に先生が入って来ると、莉紗はいそいそと自分の席へと戻って行った。
「今日は69ページの練習問題から解いていくぞー」
私には理解出来ない数式を黒板に並べる先生の話は聞かずに、次の昼休みに何処から順番に昨日の彼を探すかを授業中ずっと私は考えていた。
うーん……。
やっぱ手っ取り早く食堂とか?あそこが一番人集まるし……かと言って1人で食堂に行くのもなぁ。
結局、食堂から探すと言う事以外は何も決まらずに昼休みを迎えた。