俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
先程まで、食卓で繰り広げられていた話をまとめてみる。
今、あたしの目の前に居るのは、進藤朔夜(二十七歳)。ちなみに独身。
ついこの間まで、親の経営する病院で働いていたのだが、様々な医療現場を目の当たりにする為、学生時代の友人の家である、桜井家に来た。
つまり―――うちのお父さんと、マイダーリンのお父さんは、友達なのだ。
そんな理由があり、桜井医院に勤める間は、うちに居候する事になった、という訳。
「おじさん、おばさん、今日からお世話になります」
「あらあら朔夜君ったら。かしこまらなくてもいいのに」
って、マイダーリン!何であたしには挨拶してくれないの!?一応未来の奥さんなのに!
歯を食い縛り、涙目で会話を続けるマイダーリンとお母さんを睨み付けてみる。全然ツッコんでくれないけど。
「そうだ柚。朔夜君を部屋まで案内してあげたら?」
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