俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~



その声は、校門の前にピッタリと停められた白いスポーツカーの近くから聞こえてきた。


あたしに、あんな大人な車を持った知り合いなんていない。


……ただの、空耳かなあ?


そう思って、校門を通り過ぎようとした時だった。




「柚ちゃん、聞こえなかった?」



「って、え?」




あたしの目の前に、人影が現れる。


驚きを隠すことが出来ずに、あたしは口をパクパクさせて、ただその人の名前を叫ぶことしか出来なかった。




「水樹、さん……?」



「俺の名前を覚えていてくれたんだね。嬉しいな」




なんで、水樹さんがここに……?




.
< 234 / 266 >

この作品をシェア

pagetop